ロジカルシンキング2

伝えるべきメッセージとしては3つあった。

確認1:課題(テーマ)を確認する

まず、そのコミュニケーションにおいて自分が相手に答えるべき課題は何なのか、を確認することである。いつも「自分がいま、相手に答えるべき「課題(テーマ)は何だろう」と自問自答してみる。あなたの考えがどんなに素晴らしいものであっても、「課題(テーマ)」がずれていては、相手の検討の俎上にのることすらできない。ビジネスの場所で課題をまったく誤って認識していたということはまれである。しかし、検討を進めていくうちに、気になる発見やそれまでに見えていなかった課題などが出てくると、そちらに注意が奪われ、いつの間にか自分の頭の中で課題のすり替えが起こってしまう。検討に熱が入れば入るほど、これは自然な成り行きだ。「自分しか見えない病」にかかっている人は「私が今言いたいこと、言うべきことは何だろう」と考える。まずはこれを改めよう。正しいアプローチは「自分がいま、相手に答えるべき「課題(テーマ)」は何だろう。」と自問自答してみることである。

確認2:相手に期待する反応を確認する

会議を持つとき、文書を作るとき、それによって相手にどのようにしてもらいたいのか、どんな反応を引き出したいのか、という期待成果のないコミュニケーションは「独白」でしかない。そして昨今、「独白」につきあう暇のある企業も人も少ないのである。ビジネスにおいて、相手に何かを伝えるという行為自体が目的となるケースはわずかだろう。伝えることによって相手に理解してもらったり、相手のニーズや意見を引き出したり、あるいは相手に何らかのアクションをとってもらう、など相手に何らかの「反応」をとってもらうことが最終目標であるはずだ。伝えることは手段であり目的ではない。

①相手に理解してもらう

伝える内容を相手に正しく理解してもらった上で、知っておいてもらいたい場合。業務連絡、事務連絡などは、ほぼこのケースにあてはまる。

②相手に「意見や助言、判断などのフィードバック」してもらう

伝える内容を相手に正しく理解してもらった上で、相手がその内容についてどのように考えるのか、賛成なのか反対なのか、何か抜けている点はないのかなど、相手から判断や助言、感想などを投げ返してもらいたい場合。ヒアリングやテスト・マーケティングで顧客のニーズを引き出す場合などがこれにあたる。

③相手に「行動」してもらう

伝える内容を相手に正しく理解してもらった上で、相手に実際になんらかの行動をしてもらいたい場合。商品やサービスの拡販のため、販売代理店などの第三者に対して、拡販施設の説明、キャンペーンへの参加依頼などを実施してもらう場合や、相手自身にアンケートに答えてもらう場合などがこのケースにあたる。

何を言えば答えになるのか

答えの要素

結論→課題に対する、書き手(伝え手)の答えの核をなすもの。何かのアクションを提示する場合と評価や判断を表すものの2つがある。

根拠→その根拠にどうして至ったのかという理由。結論の必然性について相手を納得させられるもの。事実と判断の2つがある。

方法→結論がアクションの場合、相手がそのアクションをとれるよう、具体的なやり方を提示するもの。

いつも下に書くことを自問自答したい。

・課題に対して、伝え手が、どのようなアクションをとるべきだと言っているのか?イエスなのかノーなのか?あるいはどのような意見を持っているのか、がクリアに頭に残るか?

・その結論に至った根拠に納得感があるか?

・結論がアクションの場合、具体的なやり方が示されているのか?自分がそのアクションについて部下に指示を出す場面を想定したとき、指示の中身が具体的にイメージできるのか?

ビジネスにおいて課題の答えとして備えるべき要素は、課題によって異なるものではない。答えの要素はたった3つだ。それは、「私の答えを一言で申し上げれば、要するに・・・」といって説明する答えの核の部分である「結論」、そしてなぜその結論なのか、結論の妥当性を説明する「根拠」、さらにその結論がアクションである場合には、それをどうやって実行するのかを説明する「方法」だ。